彼らが本気で編むときは、 - フラワーアレンジメント教室アトリエ玲花のブログ

アトリエ 玲花
フランススタイルのフラワーアレンジメント教室

彼らが本気で編むときは、

「後ろから2〜3列目で、真ん中辺空いてますか?」
開演40分前に指定席に交換しようと、スタッフの方に言うと
「はい、今のところお客様は3人しかいらっしゃいませんから、どこでも大丈夫ですよ。」
という返事と笑顔が返ってきました。
「彼らが本気で編むときは、」という映画を観に行った時のこと。

この映画は、中学生の時に自身の女性に目覚め、大人になってから性転換手術も済ませた
トランスジェンダーの主人公(リンコ)と一緒に暮らす(マキオ)のもとに、マキオの姪(トモ)
が一緒に暮らすことになる映画です。
「トモちゃん、私リンコ・・よろしくね」と挨拶をするものの、「はあ・・」という11歳の戸惑いと驚き。
トモの母は、ネグレクト(育児放棄)、オトコができると、マキオにトモを預け、
オトコと逃避行を繰り返す、どうしようもないお母さんです。

私がこの映画を観たいと思ったのは、主人公のリンコを演じる生田斗真さんの美しさに魅かれたからでした。

りんこ

リンコと暮らすうちに、リンコのやさしさ、強さに魅かれていくトモ。
リンコとマキオは、いつしかトモを養子にしたいと考えますが・・・

美しい風景と共に映し出される普通の家族。
でも現実はどうしようもなく厳しくて、冷たくて、儚くて、それを余すところなく描いた名作でした。

私は、もし自分の息子がオッパイがほしい、っと言い出したら、どうするだろう?
しかるべきところに相談に行く?行っても納得できなければ、息子を追い出す?中学生なのに?
転校させる?・・でも転校先でもオッパイがほしいことは変わらない・・・
いろいろ考えるうちに、涙が溢れてきました。

私の好きな映画のジャンルは、SFやサスペンス、魔法使いなどなど・・・非日常的なもの。
あまり頭を使わなくて良いもの、あとくされがないもの、つまりすべては「作ったもの」です。
この映画を観て、差別はいけない、と頭ではわかっていても、目の前の現実にどうすることも
できない歯がゆさ、愛しさを覚えました。
女々しい態度が表面化し、いじめにあっていた時期、差別を受けながらも必死に堪えた時、
通報により児童相談所が駆けつけ、トモの体に虐待の痕跡を見つけようとしたとき、
トモの母親から「あなたに生理が来た時の対処法やブラジャーを買ってあげられるの?」と
問いただされた時、「これは紛れもない現実だ」と悟りました。

主人公リンコが教えてくれたのは、様々な屈辱や差別を受けながら、堪えてきたからこそ持っている
心の大きさと強さでした。

上映期間が短いようなので、多くの方が早めにご覧くださることを願っています。
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